ユネスコが登録する世界遺産、特に文化遺産では、何か一つの建築物が指定されているだけでなく、街全体が世界遺産として指定され、保護の対象となっているものが多くあります。モロッコでは現在8つのユネスコ文化遺産が指定されていますが、その多くが「メディナ」であることからわかるように、イスラム教を基盤とした人びとの生活(現在まで続く)が世界遺産となっているのです。
モロッコでユネスコの世界遺産に登録されているのは、
1.ファズ・エル・バリの世界最大のメディナ(旧市街)の町並み、
2.マラケッシュのメディナ、
3.古都メクネス、
4.ウォルビリス、
5.ティトゥアンのメディナ、
6.エッサウッィラのメディナ、
7.アル・ジャディーダのポリトガル都市、そして
8.アイト・ベン・ハドゥの8つです。
したがって、モロッコのユネスコ世界遺産を知るためには、その町の仕組みを理解し、実際に歩いてみることが一番です。
モロッコの町の仕組み
モロッコの町のほとんどは、旧市街(メディナ)と新市街で構成されます。
●旧市街(メディナ)・・・7世紀にアラブ人が侵入してきた際に作られた街。城壁で囲まれ、その切れ目にメディナへの入口でもあり、また出口でもある「門」が数か所に設けられています。
そもそもメディナとは、イスラム教のムハンマド、つまり預言者のための町です。モロッコの歴史ある地には、それぞれ特有の迷路のようなメディナが発達しています。メディナは、外敵の攻撃から守るために設計された計画都市なのです。
メディナの中は、人がやっとすれ違えるほどの狭い路地がくねくねと、それこそ迷路のように走ってをりそこにスークと呼ばれる市場(商店街とお土産屋さん)と住宅がぎっしりと詰まっているのです。
●新市街・・・19世紀になってメディナの周囲に発達した近代的な都市。
新市街から旧市街(メディナ)へ、門を通って足を踏み入れたとたん、時間の流れがすべて無効になってしまった感じを受けます。旧市街(メディナ)は、時間の向こうにあるとともに、現在もそこで多くの人たちの生活が営まれる今でもあります。門は、その入口であり、出口でもあります。