モロッコのアイト・ベン・ハッドゥは、同じく世界遺産登録されているフェズのメディナや古都メクネスとはまったく違う、砂漠の街です。
アイト・ベン・ハッドゥは、カスバ化された街です。カスバとは、要塞の意味です。メディナの内外を監視するための城塞を言います。
カスバにはいろいろな形があります。
1.メディナの一角に存在する場合。
2.地方の小さな砦や地方官の邸そのものか、それを中心として高い城壁で囲まれた街全体を指す場合。
マラケッシュからアトラス山脈を越え、ワルザワードへ行く途中のカスバ街道の両側に点在するのは、2のタイプのカスバです。
このあたり、アトラス山脈を越えてサハラ砂漠を遠く南にのぞみつつ、オアシスの緑と砂漠の赤茶けた厳しい自然のなかをひたすら走るなかに醍醐味があります。そして緑が美しいエルフードへ向かうのです。
●オアシス
オアシスというのは、アラビア語で「ワーハ」と呼ばれます。
砂漠、ステップなどにある常に淡水がわき出る緑の地帯です。
砂漠の殺伐としてなかでナツメヤシを中心として灌漑農業がおこなわれています。
ナツメヤシの実を「トゥマル」といいます。糖度が高く、スーク(市場)で売っています。バラ売りのものや、枝付きで売られているものも。
このトゥマルは、モロッコではおやつや料理に広く食されています。
●ノマドとワジ
砂漠で生活する遊牧民。砂漠の民にとって重要な生活の場となるのが、ワジです。普段は干上がっていて、雨期にのみ水が流れる川です。周辺には草木があり、深く掘れば水が出てきて、砂漠の民の貴重な命の水を供給する生活の場です。