7世紀にアラブ人の支配を逃れようとした、モロッコ原住民、ベルベル人(ベルベルは、野蛮人という意味。この地域に侵入したアラブ人とフランス人が、非アラブ人をさして呼んだ言い方。ベルベル人はみずからを「自由な人びと(イマジゲン)」と呼ぶ)は、アトラス山脈を越えてオアシスにカスバを築いて移り住みました。
カスバというのは、城塞、支配者の居住地という意味です。現在、「カスバ街道」と呼ばれる地域の近郊にあるのが、アイト・ベン・ハッドゥです。ここはユネスコの世界遺産に登録されています。
カサブランカに降り立ち、マラケッシュへ、そしてワルザワードへ向かう途中に、このアイト・ベン・ハッドゥに立ち寄る旅人が多いです。そしてワルザワードからオアシスをつなぐカスバ街道を超え、オアシスの町「エルフード」へ行き、途中でモロッコのグランドキャニオンとも呼ばれる壮大なトドラ峡谷へより、大自然の造形美に酔いしれるのです。
このように、人が、歴史が迷路のようなメディナでうごめくフェズやマラケッシュの町並みとは打って変わった光景が、モロッコにはあります。
南のマラケッシュから、アトラス山脈をこえて北へ行くと、そこは別世界。なぜなら地中海の温暖な空気がアトラス山脈により遮断されてしまうからなのです。
北側とはまったく異なる、山と砂漠の狭間です。はるか南には、サハラ砂漠が広がります。
ここでは、自然の迫力にひたすら酔いしれたいです。乾燥した砂埃のなかに、数本の川が流れ、そのほとりにオアシスが形作られています。
アイト・ベン・ハッドゥは、カスバ化した村です。
人を寄せ付けない砂漠と人がうごめくメディナ・・・モロッコの世界遺産は多彩な魅力をみせてくれます。